
【1.トピックス】
2006年4月から麻疹と風疹の予防接種対象者ならびに接種方法が大きく変わります。
現在1歳から7歳半未満のお子さまはかかりつけ医と良く相談の上、ぜひとも現行の方法で2006年3月31日までに済ませましょう。
詳しくは国立感染症研究所感染症情報センターが掲載する「麻疹・風疹の予防接種に関する重要なお知らせ」(http://idsc.nih.go.jp/vaccine/cpn05-06.html)をご覧ください。
【2.予防接種とは】
赤ちゃんがお母さんから生まれるときにもらった病気に対する抵抗力(免疫)は生後1歳までにはほとんどが自然に失われてしまいます。そのため、この時期を過ぎますと、赤ちゃん自身で免疫を作って病気に立ち向かわなくてはなりません。その助けとなるのが予防接種です。
感染症の原因となるウイルス・細菌または菌が作り出す毒素の力を弱めた製剤(ワクチン)をつくり、それを体に接種して病気そのものを発症することなく、その病気に対する抵抗力(免疫)を、体に備えることを予防接種といいます。
すべての感染症に対して予防接種ができるわけではありませんが、予防接種を行うことで病気そのものの発症や病気が引き起こす合併症の頻度を押さえ込む効果が証明されています。
【3.予防接種の種類と特徴】
予防接種で使うワクチンには、製造過程から「生ワクチン」と「不活化ワクチン」の2種類があります。また、法律上の分類として、「定期接種」と「任意接種」の2種類に分けられます。
生ワクチン
生きた細菌やウイルスの毒性を弱めたものです。ポリオ、麻疹、風疹、BCG、水痘、おたふくなどがこれにあたります。接種後体内で細菌やウイルスの増殖が始まりますが、毒性を弱めているため発病する機会はまれです。しかし、発熱や発疹などの軽い症状が出ることはあります。十分な抵抗力(免疫)ができるのに約1ヶ月必要で、この間は他の予防接種をすることができません。
不活化ワクチン
抵抗力(免疫)をつくるのに必要な細菌、ウイルスの一部分だけを取り出してつくったものです。ジフテリア・百日咳・破傷風(DPT)、日本脳炎、インフルエンザなどがこれにあたります。体内で細菌やウイルスが増殖することはありませんので、発病することもありません。ただし、十分な抵抗力(免疫)ができるまでに一定の間隔で複数回の接種が必要です。次の予防接種は最低1週間あければ可能になります。
定期接種
予防接種法および結核予防法によって定められた、市町村が責任をもって行うべき予防接種で、ポリオ、DPT、、麻疹、風疹、日本脳炎、インフルエンザ、BCGがこれにあたります。通常公費負担で受けられますが、対象年齢が決まっている(だから定期とよびます)ので注意が必要です。。ポリオ、BCGは市町村が日時と場所も指定してきますので時期になったら通知(通常郵送)に注意しておきましょう。それ以外のものについては対象年齢を迎えたら個人的に病院や診療所に受けに行きます。
任意接種
定期接種に含まれない予防接種で、受ける側と医師の個人的な責任で行われるものです。インフルエンザ、水痘、おたふく、A型肝炎、B型肝炎などがこれにあたります。公費負担制度はなく、保険も使えないのですべて自費負担となります。
【4.予防接種の対象者・スケジュール】
特に予防接種法および結核予防法で定められた定期接種は対象年齢に制限があるため予防接種のお子さんのスケジュールを立てる上で重要になります。また、それぞれの予防接種に定められた対象年齢のなかでも、特に病気にかかりやすい時期を考慮して定められた「通常接種が行われている年齢」の期間中に接種を受けるように計画したいものです。
一般的なコースとしては、
生後3〜6ヶ月までに BCG
BCG終了後〜1歳までに DPT1期初回(3回)とポリオ2回をうまく組み合わせて
生後1歳になったらすぐに 麻疹と風疹(2006年4月からはMR混合ワクチンになります)
生後1歳半を過ぎたら DPT1期追加(1回)
生後11歳を過ぎたら DT2期(1回)
が、スムーズでよいかもしれません。
なお、2005年5月30日以降日本脳炎ワクチンの積極的推奨が中止されていますが、接種希望者は定期接種が可能です。
生後3歳を過ぎたら 日本脳炎の1期初回(2回)
生後4歳を過ぎたら 日本脳炎の1期追加(1回)
生後9歳を過ぎたら 日本脳炎の2期(1回)
私個人的な意見を申しますと、スケジュールをうまくこなせるかどうかのカギは、生後6ヶ月〜1歳半までの予防接種が立て込む時期に、いかにお子さんに風邪を引かさずに過ごすかではないでしょうか。また、水痘、おたふくなどの任意接種は、日本脳炎を受けないのであれば定期接種の一段落する2歳以降に、受けるのであれば4歳以降にするのが無難かも知れません。
日本の小児における予防接種のスケジュールは、国立感染症研究所感染症情報センターのホームページに見やすい表になっています。
2006年6月1日以降施行予定のスケジュール
画面で見たい方へ (http://idsc.nih.go.jp/vaccine/dschedule/Imm06JP-rev3.gif)
ダウンロード・印刷したい方へ (http://idsc.nih.go.jp/vaccine/dschedule/Imm06JP-rev3.pdf)
【5.予防接種の有効性】
生ワクチンの場合96〜98%の健康な人は抵抗力(免疫)ができます。不活化ワクチンでは基礎免疫(1期のこと)を終了すれば98〜99%の人に抵抗力(免疫)ができます。抵抗力(免疫)ができない場合はその人の体質やその時の体調などが原因しますが、数%とごくわずかです。
また、不活化ワクチンは抵抗力(免疫)ができてもしばらく放っておくと少しずつ免疫は減っていきますので、長期に抵抗力を保持するためには一定の間隔で追加接種が必要です。
【6.予防接種を受けに行く前に】
予防接種に行く前のチェック
1.お子さんの体調はよいですか?
2.今日受ける予防接種について理解していますか?わからないことは、質問をメモにしておきましょう。
3.母子健康手帳は持ちましたか?
4.予診表の記入はすみましたか?
5.お子さんの日ごろの健康状態を良く知っている人が連れて行きましょう。
予報接種を受けることができない者
1.明らかに発熱している者
2.重篤な急性疾患にかかっている者
3.その日受ける予定の接種液に含まれる成分で、アナフィラキシーを起こしたことがあることが明らかな者
4.BCG接種の場合においては、予防接種、外傷等によるケロイドが認められる者
5.BCG接種の場合においては、結核の既往のある者
6.その他、医師が不適切と判断した場合
予防接種を受ける判断を行うに際して注意を要する者
1.心臓病、腎臓病、肝臓病、血液の病気や発育障害などで治療を受けている者
2.過去の予防接種で、2日以内に発熱のみられた者及び発疹、じんましんなどアレルギーと思われる異常がみられた者
3.過去にけいれん(ひきつけ)を起こしたことがある者
4.過去に免疫不全の診断がされている者及び近親者に先天性免疫不全症の者がいる者
5.ワクチンにはその製造過程における培養に使う卵の成分、抗生物質、安定剤などが入っているものもありますので、これらにアレルギーがあるといわれたことのある者
6.BCG接種の場合においては、家族に結核患者がいて長期に接触があった場合など、過去に結核に感染している疑いのある者
予防接種を受けた後の一般的注意時事項
1.受けた後30分間は、接種会場でお子さんの様子を観察するか、医師とすぐに連絡をとれるようにしておきましょう。急な副反応(アナフィラキシー)が起こるとすれば接種後30分以内が多いです。
2.接種後生ワクチンでは4週間、不活化ワクチンでは1週間は副反応の出現に注意しましょう。
3.接種部位は清潔に保ちましょう。当日の入浴は差し支えありませんが、わざと接種部位をこすることはやめましょう。
4.接種当日は、はげしい運動は避けましょう。
【7.副反応がおこった場合の対応】
通常られる反応
発熱、接種部位の発赤・はれ・しこり、発疹は数%〜数十%に認めますが、通常数日以内で自然に改善します。
重い副反応
接種部位のひどい腫れ、高熱、ひきつけなどの症状があったら、医師の診察を受けましょう。お子さんの症状が予防接種後副反応報告基準に該当する場合は、医師から市町村長へ副反応の報告がされます。
極めてまれに脳炎や神経障害などの重い副反応が生じることもあります(百万から数百万人に1人程度)。このような後遺症が問題となるような副反応で、厚生労働省がその原因を予防接種法または結核予防法に基づく定期予防接種と認定したときには健康被害救済の給付対象になります。