咽頭結膜熱(プール熱)について

咽頭結膜熱は発熱、咽頭炎、眼症状を主とする小児の急性ウイルス性感染症です。原因ウイルスはアデノウイルスによって発症します。自宅での対応法は通常のカゼと一緒です。

特に夏場を中心に季節的に地域で流行がみられ、プールでの感染も多く見られることからプール熱とも呼ばれています。もちろんプール以外でも接触すれば感染の機会はあります。

発熱の期間が長引きやすいため親としては心配になりますが、自然に回復する感染症ですので、じっと辛抱が必要です。脱水や二次感染などに注意しましょう。

ここでの内容は国立感染症研究所感染症情報センターが掲載する感染症の話「咽頭結膜熱」http://idsc.nih.go.jp/idwr/kansen/k03/k03_14.html)の項目を参考にさせていただきました。

【特徴】
咽頭結膜熱は通常夏期に地域全体で流行し、6月頃から徐々に増加しはじめ、7〜8月にピークをむかえます。1999 年頃からは秋と春にも小さな流行の山がみられるようになっています。多くはプールを介した感染なので「プール熱」とも呼ばれます。罹りやすい年齢は主に小学生ですが、5歳以下にも多くみられます。

感染経路は、プールを介した場合には、汚染した水から結膜への直接侵入と考えられています。また、タオルを共用したことが感染のリスクを高めたとの報告もあります。それ以外では通常飛沫感染(唾や痰)、あるいは手指を介した接触感染で、結膜、のど、鼻に感染します。

原因はアデノウイルスの感染で、その中の数種の型が咽頭結膜熱を起こします。乳幼児の急性気道感染症の10%前後がアデノウイルス感染症と言われ、アデノウイルスは小児で重要な病原体です。心臓病や肺の慢性疾患、免疫低下のあるお子さんがアデノウイルスの7型に罹ると重症化したりもとの病気が悪化したりする恐れがあります。

現在の流行状況については国立感染症研究所感染症情報センターのホームページ「IDWR(感染症発生動向調査)」の咽頭結膜熱由来ウイルス検出状況http://idsc.nih.go.jp/iasr/prompt/graph/adeno26tizuj.gif)をご覧ください。



【症状と診断】
5〜7日間の潜伏期のあとに発熱で発症します。頭痛、食欲不振、全身倦怠感とともに、咽頭炎(のどの痛み)、結膜炎(充血、痛み、まぶしさ、涙、めやに)が3〜5日間程度持続します。また首のうしろのリンパ節のはれと痛みを訴えるひともいます。

検査で特徴的なことは、血清LDH の異常高値、赤血球、白血球、血小板の減少傾向が見られる場合があります。

確定診断には、鼻汁、涙、便などを材料としてウイルス分離を行いますが、診断までに数週間かかるため実際的ではありません。最近では迅速診断キットが市販され、早期診断に使用されています。


特効薬がないため、通常の健康なお子さんがかかった場合は自然治癒を待つ形になりますので、
確定診断の意味合いは薄らぎます。



【治療と予防】
特別な治療法はなく、対症療法が中心となる。すなわち、解熱薬、痰きり剤、鼻水止めなどによる症状の緩和です。目の症状が強い場合には、目ぐすりなど眼科的治療が必要になることもあります。

予防としては、感染者との密接な接触を避けること、流行時にうがいや手指の手洗い・消毒を励行することなどです。消毒は90%エタノ−ルで行います。

プールを介しての流行に対しては、水泳前後のシャワーなど一般的な予防方法の励行が大切であるが、ときにはプールを一時的に閉鎖する検討も必要です。




【出席停止期間】
学校保健法では、第二種伝染病に位置づけられており、主要症状(発熱、咽頭炎、結膜炎)が消退した後2日を経過するまで出席停止とされています。ただし、病状により伝染の恐れがないと認められたときはこの限りではありません。