インフルエンザ(influenza)は、インフルエンザウイルスを病原とする気道への感染症ですが、「重くなりやすい疾患」として一般の「風邪」とは区別して考えます。

頻度は低いながらも肺炎や脳炎などの合併症を起こしうるインフルエンザは、いまだ人類に残されている最大級の疫病です。最近では鳥インフルエンザといわれる新種への対応も注目されていますが、ここではまず従来からのインフルエンザに対する予備知識を身につけたいと思います。

なお、国立感染症研究所感染症情報センターが掲載する感染症の話「インフルエンザ」http://idsc.nih.go.jp/idwr/kansen/k05/k05_08/k05_08.html)の項目を参考にさせていただきました。

                         【特徴】
毎年世界各地で大なり小なりインフルエンザの流行がみられます。日本のインフルエンザの発生は、毎年11月下旬から12月上旬頃に始まり、翌年の1〜3月頃に患者数が増加し、4〜5月にかけて減少していくパターンですが、夏場にかかる場合もあります。流行の程度とピークの時期はその年によって異なり、国立感染症研究所感染症情報センターでは各地域ごとに現在の流行情況を掲載しています。
神奈川県の流行情報については
http://idsc.nih.go.jp/disease/influenza/inf-keiho/index.htmlから日本地図をクリックし、神奈川県をご覧ください。

インフルエンザ流行の大きい年には、インフルエンザ死亡者数および肺炎死亡者数が増加し、ことに高齢者がこの影響を受けやすいとされます。また乳幼児では脳炎の発症者が増加する傾向がみられます。

             

                         【症状と診断】
感染を受けてから1〜3日間ほどの潜伏期間の後に、発熱(通常38℃以上の高熱)、頭痛、全身倦怠感、筋肉痛・関節痛などが突然現われ、咳、鼻水などの症状がこれに続き、約1週間の経過で軽快するのが典型的なインフルエンザで、いわゆる「かぜ」に比べて全身症状が重いのが特徴です。呼吸器、循環器、腎臓などに慢性の病気がある患者さん、糖尿病や免疫が低下している患者さんでは、もともとの病気が悪化したり、二次的な細菌性肺炎を起こしやすくなることが知られており、入院や死亡の危険が増加します。

特に小児では中耳炎、熱性痙攣や気管支喘息が併発したり、急激に悪化する急性脳症にかかったりすることが明らかとなっています。厚生労働省「インフルエンザ脳炎・脳症の臨床疫学的研究班」によると、毎年50〜200人のインフルエンザ脳症患者が報告されており、その約10〜30%が死亡するとされています。原因はまだ不明で、現在も詳細な調査が続けられています。

診断には、従来から血液検査が行われてきましたが、欠点は確定診断に2〜3週間かかることです。最近は外来で20〜30分以内に迅速診断が可能なキットが広く利用されるようになりましたが、正確さは約60%だそうです。つまり本当はインフルエンザにかかっているヒトでも検査で「陰性」と判断されてしまうヒトが約40%いるということです。


           

                       【治療・予防】
「タミフル」が2001年にインフルエンザ用抗ウイルス薬として開発されました。A型にもB型にも有効で、耐性も比較的できにくく、副作用も少ないとされており、発病後2日以内に服用すれば症状を軽くし、罹病期間の短縮も期待できます。また、一時期1歳未満の乳児への投与は危険性が高く投与を禁止されていましたが、現在では医師の判断のもと慎重に投与することとなっております。

解熱剤の選択は注意が必要で、、小児への使用「アセトアミノフェン」以外の使用は原則禁止です。もし仮に他の解熱薬を使用した場合、インフルエンザ脳症やライ症候群といった致命的な合併症を引き起こしやすくなるようです。

インフルエンザ脳症の治療に関しては確立されたものはなく、臨床症状と重症度に応じた専門医療機関での集中治療が必要です。どのような試みがなされているかについては、医療関係者向けですが厚生労働省インフルエンザ脳症研究班の提示する「インフルエンザ脳症ガイドライン」http://idsc.nih.go.jp/disease/influenza/051121Guide.pdf)をご参考ください。

予防としては基本的事項として、流行期に人込みを避けること、それが避けられない場合などにはマスクを着用すること、外出後のうがいや手洗いを励行することなどが挙げられます。インフルエンザワクチンは、感染や発症そのものを完全には防御できませんが、重症化や合併症の発生を予防する効果は証明されており、高齢者に対してワクチンを接種すると、接種しなかった場合に比べて、死亡の危険を1/5に、入院の危険を約1/3〜1/2にまで減少させることが期待できるそうです。

また2004年7月からは、原則として発症者の同居家族や共同生活者で、しかも特殊条件の者を対象にタミフルの予防投与が承認されましたが、接触後2日以内の投与開始を条件としており、かつ保険適応外です。。

           

                      【出席停止期間】
学校保険法では、インフルエンザと診断された場合通常は解熱後2日を経過するまで出席停止となります。所定の手続きを踏めば欠席扱いにはなりません。

              

                    【インフルエンザQ&A】
インフルエンザに関する質問で多く寄せられるものをピックアップしてあります。国立感染症研究所感染症情報センターが掲載する「インフルエンザQ&A」http://idsc.nih.go.jp/disease/influenza/fluQA/QAgen01.html)にリンクしています。ご参考ください。

1.インフルエンザ総論 Q1〜Q7http://idsc.nih.go.jp/disease/influenza/fluQA/QAgen01.html

2.ワクチン接種 Q8〜Q21http://idsc.nih.go.jp/disease/influenza/fluQA/QAgen02.html

3.インフルエンザに関連する諸問題 Q22〜Q25http://idsc.nih.go.jp/disease/influenza/fluQA/QAgen03.html

              
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