
アトピー性皮膚炎に関する正しい知識と現在もっとも推奨される治療方針を理解する目的で、以下の文献をもとにこのまとめをつくりました。
厚生労働省科学研究班 アトピー性皮膚炎の既存治療法のEBMによる評価と有用な治療法の普及(2002-2004年度)
「アトピー性皮膚炎についていっしょに考えましょう。」
(http://www.kyudai-derm.org/atopy/index.html)
厚生労働省科学研究班 アトピー性皮膚炎の既存治療法の適応と有効性の再評価に関する研究(1999-2001年度)
「アトピー性皮膚炎治療ガイドライン2002」
(http://www.kyudai-derm.org/atopy/atopy.html)
日本皮膚科学会アトピー性皮膚炎治療ガイドライン改定委員会
「日本皮膚科学会アトピー性皮膚炎治療ガイドライン2004改訂版」
(http://web.kanazawa-u.ac.jp/~med24/atopy/ADguideline.pdf)
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【重症度の評価】
アトピー性皮膚炎と診断されて、治療を開始するときに、重症度を評価することが大切です。重症度は、軽症・中等症・重症・最重症に分けられ、使う薬の種類や病気に対する考え方が違ってきます。
治療の柱は、
@原因や悪化因子の追求
Aスキンケア
B薬物療法
の3つをうまく組み合わせてすすめます。
軽症であれば、アトピー性皮膚炎の原因を深く追求するよりも、日々のスキンケアを治療の中心におきます。逆に重症ほど悪化因子の追求をしっかり行い、適切な薬物療法が必要となります。
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【悪化因子の追求】
本サイトのアトピー性皮膚炎の原因の項目をご参照ください。
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【スキンケア】
アトピー性皮膚炎の患者さんの肌は、乾燥しやすくまた感染に弱いのが特徴です。皮膚の清潔と水分・脂分を適度に補給するためにスキンケアは特に重要です。
皮膚の清潔
●汗や汚れは速やかに落とす。ただし肌を強くこすらないようにします
●石鹸・シャンプーを使うときは洗浄力の強いものは避けましょう
●石鹸・シャンプーは残らないように十分すすぎましょう
●かゆみを生じるほどの熱い湯は避けましょう
●入浴後にほてりを感じさせる沐浴剤・入浴剤は避けましょう
●入浴後には、必要に応じて保湿剤を使用しましょう
皮膚の保湿
●入浴後に保湿剤を使用するのが効果的です
●保湿剤の種類はもっとも使用感の良いものを選択しましょう
●軽い皮膚炎は保湿剤のみで改善することがあります
●保湿剤の種類には、皮膚から水分の喪失をふせぐワセリンと、皮膚の細胞の水分を高める尿素配合剤・ヒルドイド剤があります
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【薬物療法】
アトピー性皮膚炎はもともとその人がもって生まれた体質という問題が大きいため、薬物療法の治療目標も「完治」ではありません。
医師が考えるアトピー性皮膚炎の治療目標は
@症状があっても軽微であり、日常生活に支障がない程度にする
A症状の急激な悪化を防ぎ、また悪化しても長続きしないじょうたいにする
という2点です。
外用薬(軟膏)と内服薬をうまく組み合わせて治療をすすめます。
外用薬はステロイド軟膏が中心となります。内服薬は抗ヒスタミン薬や抗アレルギー薬があります。
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【外用薬(ステロイド軟膏)】
ステロイド軟膏は強さによって、@strongest、Avery strong、Bstrong、Cmild、Dweekの5段階に分けられます。これらを患者さんの重症度に応じて使い分けます。小児科領域で使用するものは、よほどのことがない限りweekからstrongまでの範囲で間に合います。
ステロイド軟膏はアトピー性皮膚炎にとてもよく効く軟膏で、2〜3日使用するとすぐに赤みやがさつきはなくなります。しかしそこで塗るのを中止するとまたすぐに症状が出始めることもよくあります。
そんな場合はまだ皮膚の奥のほうに炎症が残っている証拠です。皮膚をつまみあげると硬い感じがなくなるまで1日に2回、1〜2週間ほど塗り続け、その後もすぐに中止せず、はじめは1日1回に減らし、その後は1日おき、2日おき、3日おき……といった具合に塗らない日を多く作るようにしながら徐々に中止するようにします。
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【ステロイド軟膏の副作用】
アトピー性皮膚炎の治療がうまくいかない一つの理由に、ステロイド軟膏の副作用に対する親の過度な不安があります。
しかしその不安の多くは、何となくただ漠然とした不安であることが多いようです。
確かにステロイドには数多くの副作用があることは事実です。しかし、その多くは内服や注射などの全身投与を長期間行われたときに問題になるのであって、皮膚にぬっただけではそう滅多に起こるものではありません。
一般的にステロイドの副作用には、臓器に影響が出る大福作用と外見上の問題がでる小副作用があります。
ステロイド軟膏で起こる副作用は、あったとしても小副作用だけであり、しかも頻度としては、乳児で3%、幼児で5%、学童で10%程度というデータです。ステロイドの量にすると、顔面の場合1ヶ月に20グラム、からだにいたっては1ヶ月に500グラム以上塗らない限りは副作用の心配はないというデータがあります。
ステロイド軟膏で起こりうる小副作用としては、皮膚のうぶ毛が濃くなる、皮膚が薄くなりの毛細血管が浮き出してみえる、とびひや水イボにかかったときに治りにくいなどに限られていますし、軟膏を中止できれば元に戻る副作用です。
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【内服薬】
内服薬は主にかゆみをおさえる目的で使います。引っ掻くという機械的な刺激が続くと、皮膚症状の改善が遅れます。ステロイド軟膏によって皮膚が改善されるまでの間、我慢できないかゆみの時に補助的に併用されます。
抗ヒスタミン薬や抗アレルギー薬は種類がとても多く、効果も個人差が大きいため、自分にあったものを選んで使用します。
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