アトピー性皮膚炎の原因

アトピー性皮膚炎に関する正しい知識と現在もっとも推奨される治療方針を理解する目的で、以下の文献をもとにこのまとめをつくりました。

厚生労働省科学研究班 アトピー性皮膚炎の既存治療法のEBMによる評価と有用な治療法の普及(2002-2004年度)
「アトピー性皮膚炎についていっしょに考えましょう。」
(http://www.kyudai-derm.org/atopy/index.html)

厚生労働省科学研究班 アトピー性皮膚炎の既存治療法の適応と有効性の再評価に関する研究(1999-2001年度)
「アトピー性皮膚炎治療ガイドライン2002」
(http://www.kyudai-derm.org/atopy/atopy.html)

日本皮膚科学会アトピー性皮膚炎治療ガイドライン改定委員会
「日本皮膚科学会アトピー性皮膚炎治療ガイドライン2004改訂版」
(http://web.kanazawa-u.ac.jp/~med24/atopy/ADguideline.pdf)


【アトピー性皮膚炎の原因となる3つの要素】
「アトピー体質」、「肌の性質」、「悪化因子」の3つが原因となる大きな要素です。

「アトピー体質」とはいわゆるアレルギー体質のことです。その人がもともとアレルギーを起こしやすい身体かどうか、ということです。親がアトピー体質だと、生まれたお子さんもアトピー体質を受け継ぎやすいと言われています。

「肌の性質」とは肌が慢性に乾燥しやすく湿疹を起こしやすいかどうか、ということです。アレルギー体質といっても喘息や鼻炎など他の疾患もあるわけで、アレルギーの影響が皮膚に出やすい体質の人がアトピー性皮膚炎になりやすいといえます。

「悪化因子」とは症状の悪化を促す要素のことです。具体的には食物、発汗、細菌・ウイルス、ホコリ、気候、ストレス、疲労、日光などがあげられます。その人によって影響を受けやすいものが違います。

「アトピー体質」と「肌の性質」はその人が本来生まれ持った体質で、そこに「悪化因子」という環境要因が重なると、アトピー性皮膚炎が発症すると考えられています。



【年齢による悪化因子の違い】
悪化因子は年齢によって影響を受けやすいものが違います。乳幼児のころは食物、発汗、細菌などが悪化因子になりやすいのですが、学童以降ではダニ・ホコリ、ストレス、化粧品などが悪化因子になりやすいといった特徴があります。



【アレルギーの原因検査の落とし穴】
アレルギーの原因を調べるといった場合、一般に外来でできる検査は、「悪化因子」のなかで特に何が肌に影響しやすいかを調べているに過ぎません。たとえ血液検査などで原因物質が明らかにされて、接触(摂取)を避けたからといって、「アトピー体質」や「肌の性質」といった、もっと根本にあるアトピー性皮膚炎の体質そのものが治るわけではありません。あくまで悪化因子(原因物質)の特定は治療をすすめる上では参考程度にとどめておくべきです。